サブ抜きで

翻訳教育

翻訳教育

「あ、マグロ、さび抜きで」
「あら、お子ちゃまねぇ」
じゃなくて、
頭にサブやカウンターがつかないカルチャーのこと。

なんでこんなこと、思いついたのか。
『翻訳教育』野崎歓著を読んだから。
作者は、フランス文学者で東大大学院教授で翻訳家。
バルザックウエルベックなどなど
著者の訳した本って、結構読んでいるぞ。
翻訳のことにはじまり、森鴎外クラシック音楽など
いろんな話が詰まっていて楽しい。
で、どれも教養を感じる。
伝統的な教養って1959年生まれの著者には血肉となっているが、
もう少し世代が若くなれば、違うんだろうなと
根拠なく思う。
サブやカウンターがつかないカルチャーと
サブやカウンターがつくカルチャーが
いっしょくたになった。
もしくは、伝統的教養が失せてしまったとか。
なんだか竹内洋のお先棒担ぎみたいだが。

大学時代に山田爵先生にフランス語習った話も興味深かった。
何せ祖父が鴎外、生母が森茉莉
仕立ての良い高級スーツでべらんめえ口調だったとか。
最近の大学教授は、ビジネスマンや作家の転職先みたいで、
どうも古き良き教養が足りないようで。

そうか!と思ったのは、翻訳家は
外国語だけ堪能じゃダメで、日本語もできなきゃってこと。
当たり前じゃんと思われるかもしれないが。
自動翻訳みたいな翻訳って減ったのだろうか。

著者翻訳による
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々 新訳』を読んでみよう。

今日のエントリーの見出し代案は、翻訳大賞。

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