ヤバい予測学 ― 「何を買うか」から「いつ死ぬか」まであなたの行動はすべて読まれている
- 作者: エリック・シーゲル,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2013/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『ヤバい予測学』エリック・シーゲル著を読む。
「データは経験の貴重なコレクションであり、それらの経験から
学ぶべきことはたくさんある」
「ただし、データは黄金ではない。生のデータは無意味で
退屈だ。データの中から発見されるものが、黄金なのだ」
錬金術ではないが、データをどう宝の山に変えるのか。
この本には、それが書かれている。
ともかくいろんな分野で正しい予測ができるようになったと。
タレブの『ブラック・スワン』信奉者で
予測学に疑り深いぼくは、「ほんまかいな」と読み進む。
データサイエンティストに求められるマーケ的分析能力。
世はビッグデータ時代だと言われているが、
選別→発見→理に適った説明がなければ。
「予測は純粋な推測より効果があり、正確ではなくても確かな
価値をもたらす。何が起きるかというぼんやりとした見通しは、
前が見えない完全な暗闇よりはるかに優れている」
豊富な事例がその裏付けとなっている。
ここだけでも面白い。ちょっと引用。
「発見 購買意欲は時間によって変わる
小売サイトは午後8時、出会い系サイトは夜遅く、金融関連は午後1時ごろ、旅行は午前10時を回った直後が最もにぎわう(サイトのトラック数ではなく、すでにサイトにアクセスしている人の購買意欲が最も高まる)」「驚きの発見―消費者行動」より。
組織・企業 複数のサイトより
考えられる説明 特定の種類の取引を完了させようとする意欲は、1日の特定の時間に高まる」
だったら、小売サイトは毎日午後8時頃の更新を目指そう。
バナーで「今日、午後8時の市開催、お買い得品満載」などと、
誘導するのも効くだろう。
本書冒頭に
「データは新時代の石油だ―メグレナ・クネヴァ欧州委員会担当(消費者保護担当)」
というフレーズが引用されている。
この場合、当然、石油は燃える臭い水、燃料ではなく、
石油化学として
「ポリエチレン、エポキシエタン、エチレングリコール、エタノール、
アセトアルデヒド、塩化ビニル、酢酸ビニルなど」(wikipediaより)
のさまざまな原料となることを明示しているのだろう。
でも、「1920年代になってから」、つい最近のことだ。
予測学、ヤバいかも。そう思いつつ読了。