- 作者: チャイナ・ミエヴィル,内田昌之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/02/26
- メディア: 単行本
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『言語都市』チャイナ・ミエヴィルを読む。
「口に相当する二つの器官から同時に発話するという
特殊な言語構造を持っているアエリカ人」
が棲む、「辺境の惑星アエリカ」。
アエリカ人、異形っちゃ異形だけど、バイリンガル、トリリンガルの人を
デフォルメすれば、こうなるよな。
その世界に想像力をチューニングさせるのに手間取った。
あとは、一気通貫。というわけにもいかなかったが、
ハードSFの進化形を楽しむことができた。
『言の葉の樹』アーシュラ・K・ル・グィン著の
読後感に似ていると、ふと思った。
ル・グィンは、文化人類学や言語学的素養が、というかそのままが
見え隠れしているが、チャイナ・ミエヴィルは今様な分、
うまく咀嚼している。
地球でさえも、異文化、異民族間での疎通は難しいというのに、
異星人同士はどーよ。
「二つの器官から同時に発話」というと『マジンガーZ』のあしゅら男爵を
思い浮かべてしまう、凡庸なオレ。
あしゅら・K・ル・グィン。ダジャレ番長。
次に、「コトバは形相であって実質ではない」というソシュールの言説を
思い浮かべた。