言語都市

言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

『言語都市』チャイナ・ミエヴィルを読む。

「口に相当する二つの器官から同時に発話するという
特殊な言語構造を持っているアエリカ人」

が棲む、「辺境の惑星アエリカ」。
アエリカ人、異形っちゃ異形だけど、バイリンガルトリリンガルの人を
デフォルメすれば、こうなるよな。
その世界に想像力をチューニングさせるのに手間取った。
あとは、一気通貫。というわけにもいかなかったが、
ハードSFの進化形を楽しむことができた。
『言の葉の樹』アーシュラ・K・ル・グィン著の
読後感に似ていると、ふと思った。
ル・グィンは、文化人類学言語学的素養が、というかそのままが
見え隠れしているが、チャイナ・ミエヴィルは今様な分、
うまく咀嚼している。
地球でさえも、異文化、異民族間での疎通は難しいというのに、
異星人同士はどーよ。
「二つの器官から同時に発話」というと『マジンガーZ』のあしゅら男爵
思い浮かべてしまう、凡庸なオレ。
あしゅら・K・ル・グィン。ダジャレ番長。
次に、「コトバは形相であって実質ではない」というソシュールの言説を
思い浮かべた。


人気blogランキングへ