手堅く、きっちり

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年村上春樹著を読む。
読み出したらするする読めて、時折胸がきゅんとなって読了。
面白ございました。


率直な感想としては、増田(はてな匿名ダイアリ)で
長くそれなりにまとまった恋愛告白を
―大量のブクマがついた―のばしたような。


リーダビリティ(by内田樹)…さらに読みやすくなった文体。
ワールドワイド…ある規模の都市に生まれ育った人なら違和感なく読めるだろう。
翻訳しても世界がたぶん変わらない。
エイジレス&ジェンダーフリー…誰が読んでもそれなりに楽しい。


恋愛となぞ解き、音楽と旅行、
SNSが出て来るのも当世風で。
ターゲットを30代にセグメントしたのだろうか。
手堅く、きっちり仕上げたエンタテイメント小説だと思う。


これが山下達郎のニューアルバムなら、
いつも通りであったとしても、
さほど文句は出ないんだろうね。


本が売れないといわれる時代に楽々と100万部超え。
いっときのゲームソフトやCDなみに売れるのは、
ま、定番ということで。
キリンライトビールの名コピー「時代が僕を生んだ」ってことかな。


スティーブン・キングなら、かつてハブられた友人一人ひとりを
残忍な手口で血祭りにあげる死の巡礼に行くんだけど、それはまた別な話。


人気blogランキングへ