ドジな探偵さんね

殊能将之追悼で未読の著作を片端から読んだ。
『美濃牛』『黒い仏 』『鏡の中は日曜日 樒 / 榁』『キマイラの新しい城 』。
あとは『子どもの王様』と連作集『9の扉』か。『ハサミ男』も再読しよう。
連休中の楽しみに。といっても、副業はあるんだけど。
ディレッタンティズム―蒐集と…編集もか―と
ディテクティブの贅を尽くした作品を読めて
とても幸福な時間を過ごせた。


下記の引用がぴったりくる。


「小説家は誰しも、ある程度は建築家になる―空中楼閣だ!
―そして小説そのものも、言うまでもなく一種の住居であって、
その空間は開放的であると同時に拘束的でもあり、
そこには誇示または隠蔽がはぐくまれ、部屋から部屋へと
こだまするのである」

『アップダイクと私』ジョン・アップダイク著 若島正=編訳 森慎一郎訳より


まあ城郭でも、邸宅でも、王国でも、シュバルの理想宮でもなんでも構わない。
世界は引用でできている。
愚主賢従。名(迷?)探偵石動戯作と助手・アントニオ。
不思議な力を持った中国人。
なぜか『グリーンホーネット』の助手カトー(若かりしブルース・リーが演じていた)を
思い浮かべた。


探偵も兼業探偵が昨今は流行のようで。
古書店員で探偵。
落語家で探偵。
バリスタで探偵。
保育士で探偵。
准教授で探偵。
鍼灸師で探偵。
JKで探偵。
犬で探偵。
ノマドワーカーで探偵。キリないや…
次は何だ。


専業(プロ)が苦境というのは、
ぼくらのギョーカイ(ライター、コピーライター)にも似ている。


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