瞠る

夏の人もいる。冬の人もいる。
朝は肌寒いが、昼間は夏の残滓でまだ暑い。
何かの花粉か、温度アレルギーか、
鼻がグズグズして目が痒い。

図書館へ行き、『山川方夫全集第7巻 朝の真空』を借りる。
論文・台本集。これで一応、全集はおしまい。
月報に堀江敏幸村上春樹の『土の中の彼女の小さな犬』と
山川方夫の『ある週末』の共通性について書いている。
山川方夫村上春樹に継承されたもの、異なるもの。
眼を瞠らされる一文。
あと、勝手にぼくが思うのは、向田邦子との共通点。
ま、どちらもラジオやテレビの台本をこなしたのだが、
読んでいて、モダン、都会、家族、人生のほろにがさを感じさせてくれる。
向田邦子にとって父性は大きなテーマだ。
一方、山川は14歳のとき、画家の父親を失くし、
長男として父の代理を務めさせられる。父性喪失。
その重みと拘束、責任感。ダブルバインド
書くことで逃避していたのだろうか。

最近の仕事。
箱根名物  茶処姫福

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