黒い白鳥

 

黒い白鳥 (創元推理文庫)

黒い白鳥 (創元推理文庫)

運が良いと濡れない日。運が悪いとかなり濡れる日。
干した洗濯もの、しまって、また出して、またしまって。
竜巻、あんなに大きなのって見たことない。
竜巻保険とか商品化に急いでいたりして。

『黒い白鳥』鮎川哲也著を読んだ。
労働争議と新興宗教。
過去を持つ麗しき女性。

 


第二次世界大戦、戦争による混乱。
社会体制の転換は、成り上がりも生んだし、成り下がりも生んだ。
要するにわけのわからない時代ゆえ、
そこで処理すれば、それなりのリアリティが得られる便利な?もの。
せっかくの新興宗教もおどろおどろしいオカルトテイストではなく、
わりかし、さらっと取り上げている。
「本格推理小説」だからか。
ラストの真相を語るシーンは必要、不要で意見が分かれるところ。

アリバイはなかったら当然嫌疑をかけられるが、
完璧すぎても、のどに刺さった魚の小骨のように、気になるものらしい。
いかつい面相で繊細なハートの持ち主、鬼貫警部。
真ん中あたりから登場。
なぜか『クッキングパパ』とキャラがかぶるんだけど。
ぼくだけか…。
捜査が暗礁に乗り上げても、聞き込みがスカに終わっても、
諦めず、執拗に見落としている点はないかと粘る鬼貫警部と丹那刑事。
確かに完成度の高い作品。

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