- 作者: 虫明亜呂無
- 出版社/メーカー: 清流出版
- 発売日: 2009/11
- メディア: 単行本
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夏があんなに暑かったのだから、冬は寒くなくていいだろ。
ガスファンヒーターを消して仕事をしていると、
猫が「つけてくれニャ〜」と催促する。
『仮面の女と愛の輪廻』虫明亜呂無著を再読する。
この文体は、どう言えばいいのだろう。
魅力的な日本語。
ふだん、ネットではお目にかかれなものといって伝わるだろうか。
円谷幸吉のことを書いた「朽ちぬ冠」が、やはり、素晴らしい。
彼の走る才能が芽生えたのが、
農作業を終えてから、走りに出た若者たちに
ついていったことだそうだ。
後塵を拝していたが、やがて先頭を走る。
誰も追いつけなくなる。
馬の背のような土地を、競って走る。
一日肉体作業をしても、抑えきれない感情、昂ぶりを
発散するために。
アポロン的肉体賛辞。
映画『炎のランナー』のワンシーンが重なる。
沢木 耕太郎の『敗れざる者たち』でも、円谷を扱っている。
読み比べてみると、面白いだろう。
円谷は、「つぶらや」が一般的らしい。wordの変換もそうだし。
ただ地元では「つむらや」だ。
母の旧姓も「つむらや」。