- 作者: リチャード・フロリダ,仙名紀
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/01/21
- メディア: 単行本
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昨日の暑さから一転涼しい。
雷が近くで鳴る。
ダルいまま、来週から始まる仕事の資料を読む。
「空気読み」 一人シンクタンク の
世界同時、草食消費トレンド「ニューノーマル族」の先頭を走っているのは東京だ!のエントリーで紹介されていた
『グレート・リセット』リチャード・フロリダ著を読んだ。
副題が「新しい経済と社会は大不況から生まれる」。
つまり、ピンチはチャンスってことで。
かつて日本がオイルショックでその結果、低公害、低燃費のクルマが生まれたように…
翻訳が上手なのか、原文がそうなのか。
エラぶらず、やさしい文体が読んでいて心地よい。
ある種、宗教書、スピリチュアル書にも
カテゴライズされてもいいかもしれない。
「何かモノを購入することによって心が十分に満たされるのではなく、一日を終えるに当たって前向きな充足感が感じられ、仕事の中に自らの存在意識を感じ取れる環境であってほしい」
平日の仕事は稼ぐため、休日はその稼ぎでモノを買って満足というスタイルじゃなくて。本来の(たぶん)仕事ワーカホリックというのか、職人的というのか。
「私たちが抱いている二つの大きな夢は、対立関係にある。一つはなんら制約を受けない経済の発展であり、もう一つは独立した一戸建ての住宅だ。-略-膨らみすぎた持ち家願望は単純に脱工業時代の経済にうまく適合できなかった。持ち家を国民的願望の中心の座から追い落とすことこそ、健全な自由を獲得するうえでの第一歩かもしれない」
はは。住宅ローンの支払いが手枷・足枷となっているわが同朋には耳の痛い話。
「製造業の仕事が大幅に減少しても、知識をベースにした仕事や、非熟練のサービス業種への需要は増える。-略-いま必要なのは人びとのクリエイティビティを最大限に伸ばす教育システムである」
ドラッカーが確か、すべての職業がサービス業となるといっていたが、
それとほぼ同意。
「クリエイティビティ」―手に職をつける、のも立派なクリエイティビティだ。
サービスは、クリエイティビティ+ホスピタビリティじゃないだろうか。
「リセットのたびに、暮らし方や労働の形態が変化するし、消費の習慣も変わる。-略-現在のリセットは、不動産・家具・クルマなどを所有することではなく、さらなる柔軟性と少ない借金、家族や友人たちと過ごす時間、報いある自己開発、より豊かな経験へのアクセスによって、よりよい生活をする機会を約束するものだ」
ええとキーワードでいうと「フリー」、「レンタル」、「シェア」とか。
この本、もう少し話題になってもよさそうなのに。