冬かよ

女優 岡田茉莉子

女優 岡田茉莉子

急ぎの原稿は無事送った。
ま、こっからが本番なんだけど。
天気予報は昨日の午後の雨ははずれたけど、
夕方からの冷え込みは大当たり。
やっと扇風機を掃除して、代わりにガスファンヒーターと
電気ヒーターを出す。


『女優 岡田茉莉子岡田茉莉子著を読む。
父は、天下の二枚目岡田時彦。母は、元宝塚というDNAを受け継いだ
彼女の幼少のみぎりの写真に、やられてしまった。
かわいいというよりきれい。その中に聡明さや意志の強さを感じさせる。
女優になるために生まれてきた。
すぐに父親が病死したため、父を知らずに育つ。
引っ込み思案だったが、疎開先の新潟で演じる喜びを知る。
で、戦後ニューフェイスとしてデビュー。
アプレゲール女優」で映画会社は売り出す。
成瀬巳喜男の『浮雲』では森雅之とできてしまう役、
『流れる』ではじゃじゃ馬っぽい芸者を演じていた。


吉田喜重監督との出会いから結婚、フリーになる。
若かりし二人の写真が美男美女で。
吉田喜重高峰秀子から「太宰治に似ている」と
言われ、当人に確かめると「太宰の小説はセンチメンタルなので嫌いです」と
いうエピソードがぼく的には秀逸。


小津安二郎をはじめ女優を通して見た映画監督の演出法など
生な姿が書かれている。同様に当時の大女優や
三船敏郎池部良佐田啓二三国連太郎の演技中、演技前後のやりとりなど。
これは女優の自伝を読む楽しみの一つでもある。


企画協力に四方田犬彦の名前があるけど、
女優の自伝で、ここまでしっかり書かれたものはないような気がする。
自分さえも客観的に見ることができる批評眼が素晴らしい。


吉田喜重の映画が見たくなった。
まずは、この2本あたりか。「秋津温泉」と「エロスプラス虐殺」―Youtubeより。
Akitsu Springs (1962) [Trailer]
Eros Plus Massacre (1969) [Trailer]


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