汗、アセる

哲学、女、唄、そして…―ファイヤアーベント自伝

哲学、女、唄、そして…―ファイヤアーベント自伝

取材がはじまる。
一応、ネクタイ締めてるんで、暑い、暑い。
どんだけ発汗による水分が失われているんだろう。
帰宅後、取材ウェアを脱ぎ捨て、Tシャツ、半ズボンになって
アイスキャンディーを齧る。


『哲学、女、唄、そして…』ポール・ファイヤアーベント自伝を読んだ。
ウィーンの決して裕福ではない家庭に生まれ、
ドイツ兵として勇猛果敢に戦い、戦場で負傷、
「不能」かつ障害松葉杖の世話になる。
ヴィトゲンシュタイン門下に入る寸前、彼の死で立ち消えとなり、
カール・ポパーの教えを乞うが、結局、合わなかった。
バークレイ、ロンドン、ベルリン、ニュージーランドなどで教鞭を取る。
中でもバークレイは、1960年から20年もの間だ。
カリフォルニアの青い空とリベラルな空気がお気に召したのだろうか。
ま、当の本人も根っからの自由人、
ヒッピーみたいな人らしいもんな、文章と写真から想像するに。
渡り鳥のように。定住を好まないのか。
唄や芸術をこよなく愛した恋多き科学哲学者。
数奇な運命をユーモアをまじえながら書いている。
村上陽一郎の訳が、こなれた日本語で読みやすい。
映画化するなら、ジャック・ニコルソンかなあ。


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