- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: 単行本
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朝仕事を終え、
着替えて新宿まで打ち合わせに行く。
移動したオフィス。会うのは久しぶり。
帰りは代々木駅まで歩く。
昨日元同僚から取材仕事の打診あり。
日程が合わなさそうなので、
やはり元同僚を紹介する。
ギョーカイケモノ道ネットワーク。
『人生の色気』古井由吉著を読む。
エッセイかと思ったら「聞き取り」がベースなので、
とても読みやすい。
作者の創作スタイルや小説観が伺え、
腑に落ちることばかり。以下メモ。
○「バブルの恩恵を蒙る」こともなく
原稿を書き続けてきた「作家渡世40年」。
いまだに毎日原稿を書く。
○作家(純文学作家)は、第三の新人までが
出版社とのWinWin関係だったと。
作者が属すとされる「内向の世代」以降は、
そうでなくなった。
30代で作家デビューしたとき、
すでに小説は過去のものだということを感じていた。
○「いまの人は、青年後期から初老に入るという老け方が
多いんです。中年の男盛りという面構えを、
あまり見かけないのも、時代の流れでしょうか」
中年世代喪失。というのか早期退職世代とでもいえばいいのか。
正しいオジサン、カンバック!!
○「「格差社会」というと、すぐ文句をつける人がいますが、
古来から、若い男女のエロティシズムを煽るものは
「格差」でした」
「格差」と「差異にエロスがある」そうな。
「平らに均された社会」じゃあ、
個性も色気もへったくれもないわけで。
マダムはいまもいるけれど、有閑マダムはほぼ絶滅して
勇敢マダムへ異種進化した。
○作者の母校(独協高校から中途編入)である
日比谷高校の同級生が庄司薫。
1学年下に塩野七生がいたそうな。すげ。
○作者は、ぼくの隣々町に住んでいて、
近所の公園の散歩が日課だとか。
今度、それらしき人がいないかどうか
探しに行こう。って、ヤボかな。