脳と私小説

瘡瘢旅行

瘡瘢旅行


昨日は、「武田シンポジウム2010」へ。
テーマは「脳と社会」。
相変わらずおやじ濃度が高い。ま、ぼくも含めてなんだけどね。
外は寒いが、会場内は熱くて睡魔に襲われそうになる。
一枚、もう一枚脱いで、いただいた予稿集の余白に赤ペンでメモを取りながら対処する。
期待していた生山岸俊男の講演もよかったが、他の二人の演者もすばらしく、
すごーく得した気分。
山岸の「社会科学」の対象領域など、ほんのとば口を知っただけでも、よかった。
いま高校生だったら、社会科学を専攻するかもね。
そのうち感想メモでも。


根津までの往復で『瘡瘢旅行』西村賢太著を読む。
彼の著作を読んだことがある人ならおなじみの同棲している女性と
私淑している私小説作家の著作の蒐集と。
業田良家の『自虐の詩』から笑いを抜いたひりひりする生な私小説の世界。
とことん自分のダメさ加減を描いている。
ともかくカツマーだのライフハックとは真逆。
でもぐいぐい惹かれてしまう。
いままでのものと違って祖母や父−父のことは出ていたが−が
具体的なエピソードが描かれ、こちら方面への新境地開拓を期待させる。
父親は反面教師のはずなのに、結局、同じ轍を踏んでいることに気づく。


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