- 作者: 佐藤友哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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朝から今日の仕事を思案していたら、突然、家電。
あ、「かでん」じゃなくて「いえでん」と読んでくれたまえ。
朝仕事のメンバーが一人体調不良。んで、急遽出動となる。
戻って来てからパソコンに向かうが、言うことをきかない。
そいつぁ、体か、気持ちか。両方だ。
『デンデラ』佐藤友哉著を読了。
デンデラといえば姥捨て山。
深沢七郎÷村上春樹かと思ったら、そうでもなかった。
ガルシア・マルケスだの『雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち 』あたりの
大江健三郎かと思ったら、そうでもなかった。
以下ネタバレに当該するかもしれないので、
いやな人は読み進んでも当局は一切関知しないのだ。
デンデラに捨てられた老婆のグループと羆のバトルが骨格。
『バトルロワイヤル』の老婆バージョンと言えなくもない。
テンポの良い文体、ストーリー。
老婆のキャラの書き分けもそこそこいい。
ラストの羆に追われて全力で逃げるシーンは、
逃走というコメディの一つのスタイル、パターンを踏襲している。
『モンティパイソン』というイギリスBBCの番組があって、
ブラック&シュールなコントばっかだったんだけど、
中でもぼくが好きだったのが、老婆の不良グループ、愚連隊というのが
あって、なんとなくこの小説に出てくる老婆たちが似ている。
いまや日本人女性の4人に1人が65歳以上の高齢者だそうだが。
伝奇ものというよりもお山や村、デンデラがリアルじゃなくて
どことなく舞台装置っぽい。ディズニーシーに行ったような。
そういう意味じゃ小説よりもアクションRPGがお似合いかも。
「羆VS老婆A」
とか。
「羆に遭遇しました。どうしますか?
a.逃げる
b.闘う
c.死んだふりをする 」