ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ新書juice)
- 作者: マルコイアコボーニ,Marco Iacoboni,塩原通緒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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晴れ女の子どもが昨日から学校のサマースクールで行っている
群馬の高原が雨だそうだ。
本来なら、梅雨明けのこの10日間は天気が安定しているはずなのに。
戻り梅雨どころか梅雨明け宣言撤回とか。
これも地球温暖化のせい?
『ミラーニューロンの発見』マルコ・イアコボーニ著を読了。
「ミラーニューロン」とは「神経科学から発見された
「脳にある特殊な細胞の集まり」。
これにより、共感や共鳴が生まれる、感動が連鎖すると。
この本ではミラーニューロンの氏・素性・可能性について、取り上げている。
「間主観性」もミラーニューロンの働きなのかもしれないと。
センスス・コムニス(共通感覚)もミラーニューロンで
科学的に解明されるかもと。
「間主観性におけるミラーニューロンの役割は、純粋な「結合」というよりも、
相互依存の許容とでも表現したほうが正確なのかもしれない。
−略−ミラーニューロンが可能にする自己と他者との相互依存は、
人々のあいだの社会的相互作用を形成する」
作者は、現象学のフッサールはおろか、
実存哲学の始祖といわれるキェルケゴールまで
「ミラーニューロンの特性を重ね合わせられる」としている。
万能薬のようにか。
そのうち出るよ、『ミラーニューロン・マーケティング』って本が。
「私たちは生まれつき共感を覚えるようにできており、
だからこそ社会を形成して、そこをさらに住みよい場所に
変えていくことができるのだ」
ええとゆえに人間と脳の関係は、マジンガーZ本体と兜甲児が乗る頭部と似ている。
脳がすべてをつかさどっている、コントロールしているという意味で。
併読している創元推理文庫の『江戸川乱歩集』の短篇『目羅博士』に、
偶然リンクしているところが出てくる。
「まねというものの恐ろしさがおわかりですか。
人間だって、まねをしないではいられぬ、
悲しい恐ろしい宿命を持って生まれているのですよ。
タルドという社会学者は、人間生活を「模倣」の二字で
かたづけようとしたほどではありませんか」
ほらね。
文化的遺伝子ミームとミラーニューロンの関係は、どうなるのだろう。