どーよ

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

生みの苦しみ。なかなか前へ進まない。
脳が酸欠状態になったんで、コンビニまで散歩。
頼まれた『週刊文春』を買って、『R25』、『L25』ももらう。


『ハーモニー 』伊藤計劃著を読了。
そっか、女子二人の因縁解消の物語なんだ。
プライバシーというものが、すっかりなくなって、
個々人の健康状態が監視されている近未来の日本。
代わりに人々は、健康を供与・管理されている。
メタボだの、嫌煙権、健康食品ブームなど
死ぬことよりも生きること、しかも健康に生きることが
QOLだという昨今の風潮がやや過剰になると、
行き着く先はこうなるのか。
病気の人がいない社会ってどーよ。
厳密な規格で不良品は、はねのけられる商品のようで。
違う。不良品さえ存在しないのだ。
すかすかというよりも端正な文体で、
音色を少なくした楽曲のようでもある。
そんな社会に異議を唱え、立ち向かう少女。
カバーのイラストレーションでアニメーションにすればいい。


時おり、ミシェル・フーコー優生学など、
この作品のベースとなったであろうと思われるものが
顔を覗かせる。
完璧な「医療社会」って、やはり不気味だ。
不浄なもの、穢れたもの(と思われるもの)を排除すると
文明は滅びるって、森本哲郎の本に書いてあった。
確か、モヘンジョ・ダロハラッパの遺跡を訪ねたときに
実感したとか。


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