11年前

先週の土曜に開催された区の吹奏楽部大会の模様を
妻がDVカメラで撮り、それを見る。
ついでに11年前に買って帰省したときの映像も見る。
ビデオと違ってデジタルだから映像もまだ劣化せず、
11年前の鮮やかな夏休みのシーンを思いもかけず見る。
いまは鬼籍に入られた義父・義母が元気な姿は胸に迫るし、
子どもも今と違って可愛くて、困ってしまった。
ヴェンダースの『パリテキサス』のようで。
時折、映る己の姿も照れくさいが、徐々に折々の光景を思い出す。


末席で経営に参画していた広告映像制作会社がどうにもならなくなって、
辞めてすぐの頃だ。当時の年収分くらいの資金を貸し付けていた。未払い分給与も含む。
2割も回収できずに、その会社は倒産してしまった。
確か、職安に行かなければならない日で、遅れてぼくは帰省した。
変わったといえば、変わったといえるが、変わらないといえば、そうともいえる。
しかし、いなくなった存在、心の空洞を埋めることは困難で、
ふだんは忘却したふりをしているが、ほっこり顔をのぞかせては、嘆かせる。
じりじりとした気分。苦いものがこみ上げる。


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