空振り

小説の設計図(メカニクス)

小説の設計図(メカニクス)

なかなかまとまらなかったけど、ようやく、自分なりに納得して送稿する。
先は、長いそうなので、一応、これで、デザインにかかってほしい。


『小説の設計図』前田塁著を読む。
現代日本文学の批評ではなく、その構造について述べたもので
スケルトンというのか、骨抜きにして語るというのか。
期待して読んだけど、空振りってのが偽らざる気持ち。
小洒落たヌーベル・ジャポネーズのお店の料理のようで、
うまいんだか、喰ったんだか、わからないような。
たぶん素材にしている日本のいまの小説が魅力的じゃないのかも。
いみじくも作者は、小説は嘘、虚構なんだから、
小説家はそのあたりを心せよといっている。
ただ、小説の嘘(リアリティ)を超越した出来事が現実(リアル)で平気で起こるんだもの、
大変といえば、大変。


小説の場合、設計図は必要なのだろうか。
あらかじめ設計図を用意して、きちきちその通りある種、なぞって書いても
存外、つまらないものになることが多いんじゃないだろうか。
インプロビゼーションのバンドは、はじめと中盤とおわりだけは
決めておいてあとは、そのときの気分でプレイするそうだが、そういうものだろう。
書いているうちに予想もしなかったストーリーやキャラクターが勝手に暴れ出す。
あるいは、浮かんだ場面、場面を書き連ねて、突然、つながるとか。
掲載されている各小説の構造は、
小説に興味のある人、小説を書きたい人には参考にはなるだろう。


北京オリンピックでリレーで男子が銅メダルをとったけど、
それを引き合いに出してチームワークの大切さをこんこんと説く
先生や経営者などがごまんといそうだ。
星野ジャパンを取り上げりゃいいのに。


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