- 作者: 青木淳悟
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
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原稿の修正やら、構成やら、資料の読み込みなどをローテンションで。
北京オリンピックと高校野球が佳境に入り、気もそぞろ。
にしても、暑いや。図書館の帰り、ディスカウントストアまで
スポーツドリンクを箱買いして自転車の前カゴに積む。
『いい子は家で』 青木淳悟著を読む。
不可思議な、いまどきの家庭小説。
おかんは、どこの家でも帝国主義者として君臨している。
ダウンタウン松本のおかんネタを思い出す。
倫理や論理などなんのその。
愛する子どものためなら、四銭(死線)も九銭(苦戦)も
乗り越えて、子どもの好きな手料理をタッパーに詰めて
電車に飛び乗り、下宿先やアパートへ。おいおい。
で、おとんは、影が薄く。
この小説は、アングルが通常のものと違っている。
パースが狂っている。
小津の映画のようなローアングルじゃなくて、
手持ちカメラの不安定なアップがやたら続くような。
計算なのか、天賦のもなのか、よーわからん。
うまくいえないが。
やたら洗濯機など家電の描写が長い。
つーか、おかんの洗濯や洗濯機へのこだわりが書かれている。
それと鍵や戸締りなどホームセキュリティの話も多く繰り返され、
なぜか、ミニマリズムやマンネリズムに通じる心地よさを覚える。
家族や家族関係骨抜きにして、ほら、アジの活きづくりかなんかで、
卓上で頭や尾がぴくぴく動いている、そんな印象。
小説のパッケージを被った、小説の体をなした、何か別なもの。