おかん、家電、セキュリティ

いい子は家で

いい子は家で

原稿の修正やら、構成やら、資料の読み込みなどをローテンションで。
北京オリンピックと高校野球が佳境に入り、気もそぞろ。
にしても、暑いや。図書館の帰り、ディスカウントストアまで
スポーツドリンクを箱買いして自転車の前カゴに積む。


『いい子は家で』 青木淳悟著を読む。
不可思議な、いまどきの家庭小説。
おかんは、どこの家でも帝国主義者として君臨している。
ダウンタウン松本のおかんネタを思い出す。
倫理や論理などなんのその。
愛する子どものためなら、四銭(死線)も九銭(苦戦)も
乗り越えて、子どもの好きな手料理をタッパーに詰めて
電車に飛び乗り、下宿先やアパートへ。おいおい。
で、おとんは、影が薄く。
この小説は、アングルが通常のものと違っている。
パースが狂っている。
小津の映画のようなローアングルじゃなくて、
手持ちカメラの不安定なアップがやたら続くような。
計算なのか、天賦のもなのか、よーわからん。
うまくいえないが。
やたら洗濯機など家電の描写が長い。
つーか、おかんの洗濯や洗濯機へのこだわりが書かれている。
それと鍵や戸締りなどホームセキュリティの話も多く繰り返され、
なぜか、ミニマリズムやマンネリズムに通じる心地よさを覚える。
家族や家族関係骨抜きにして、ほら、アジの活きづくりかなんかで、
卓上で頭や尾がぴくぴく動いている、そんな印象。
小説のパッケージを被った、小説の体をなした、何か別なもの。


人気blogランキングへ