ポニョポニョ

崖の上のポニョ

崖の上のポニョ


ゆるゆると構成を考える。ゆるゆると内容が染み込んでいく。


子どもを誘って鼻で笑われた『崖の上のポニョ』を見に渋谷の映画館へ。
混雑を予想したが、意外や、意外、そうでもなかった。
見た人の感想をブログで読むと、なんだか『となりのトトロ』路線の子ども向けアニメーション。
でも、難解そう。と、いう感じだったが、いやはや…。
つっこみどころはいろいろあるが、
たとえば女の子になったポニョが、あんまりかわいくないとか。
しかし、ともかく、海、波、船、魚。絵自体でも充分魅力的なのに、それが動く。圧倒される。
生物の多様性、生きとし生けるものがスクリーンに溢れ出ている。
人魚姫を下敷きにしたそうだが、5歳の女の子なのに、
凄まじいラブパワーの発揮ぶりは、音楽ともどもワグナーのオペラあたりを、
スピリチュアル系の神々しい光(陰翳のつけ方)は、ウィリアム・ブレイクの絵を彷彿とさせる。
小学生の時に見たディズニーの『ファンタジア』風でもある。
枯れてないなあ。豊穣なイマジネーションでお腹いっぱい。
好き勝手に自分の作りたいものをつくって、客が入るという奇跡がいつまで続くんだろう。
宮崎駿は才能はあるさ。でも、プロデューサーの鈴木敏男のマスコミ対策のうまさや、
手綱の締め具合が絶妙なのだろう。
ストーリーよりもアニメーションの楽しさを堪能した2時間だった。
エンドマークが出たら、拍手が聞えた。


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