休日の二冊

めぐらし屋

めぐらし屋


先日、とみきちさん
取り上げていた『めぐらし屋』堀江敏幸著を読む。
相変わらずの雑誌『クーネル』的世界。ゆったりとした時間の流れ。
別れた父親が亡くなり、父親が生前稼業にしていたことを探る女性が主人公。
ミステリー風味なんだけど、しんみりかつ軽いタッチが読んでいて心地良い。
それにしてもどうして作者は食べ物の描写が達者なんだろう。
本書に出てきた豆大福が実にうまそう。


転身

転身


それから、『転身』蜂飼耳著を読む。
作者初の長篇小説だそうで期待したけど、
辛うじて甘いシケたカルピスを飲まされた感じ。
北海道を舞台に、たぶん神話的骨格で構成しようとしたはずなのだが、
意欲は買うが、結果的には未消化をぼくは覚えた。
マリモは卵子などの暗喩なのかな。
読みが浅いのかもしれないが、ともかく誘惑されることなく、読み終えた。


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