長い返事

本家「うたかたの日々」に、メッセージが届いた。返事が長くなりそうなんで、本日のエントリーに。
就活生さん、はじめまして。カキコミありがとうございます。


最初のご質問。ぼくがサンアドを受けたのは、半分、ムリヤリです。ゲリラです。
いきなりラブレターのようなプロフィールと
宣伝会議の課題を作品にして、返信用のハガキを同封して送付しました。
無知というか若さゆえの暴走です。しかし、社長から返事をいただきました。
アートディレクター出身らしくとてもきれいで繊細なペン文字でした。
サンアドでは、コピーライターは新卒では採らないとのこと。
(これは後から、サンアドの仕事をしている製版会社の人から聞いた話ですが、
TCCの新人賞を獲らなければ難しいとのこと。赤面ものでした)
ただしTVCMディレクターを募集しているので、よかったら受けてみませんかと。
再び、履歴書とCMラフコンテを作り、応募。書類はパスして、課題が郵送されてきました。
作文とサントリー(当然ですが)のTVCM企画案でした。
それもなぜだかパスして面接となりました。
社長と制作部長でしょうか、おふた方がいらっしゃいました。
もう少しパフォーマンスが上手ければ心証も違ったのでしょうが、
ろくに自分のアピールもできずに時間となりました。
当然、落ちましたが、いい経験、思い出です。
新卒で入れた制作会社の同期が、その後、サンアドに入ったときは、ショックでしたが。


もし、就活生さんが、あこがれている会社、コピーライターになりたい会社があるのでしたら、
Web経由でメッセージを出してみればいかがでしょうか。
オフィシャルに募集しなくても、ユニークな才能を感じさせる若い人ならば、
未経験でもたぶん、会ってくれるはずです。
いい人はほしいのですから。給料だって新人なら高くなくてすみますし。
作品がなければ、つくればいい。もし絵心があるのなら、絵にコピーをつけましょう。
楽器ができるのなら、仮想のラジオCMでもいいでしょう。


最近、コピーライターになる若い人が減っているそうですね。
ひと昔前は「一行の力」など、持てはやされましたが。
広告批評』の廃刊とシンクロしているような。
その商品の特性をどのように旬の日本語を使い、売上に結びつけるのか。
コピーは詩にもたとえられますが、常に商品という対象があります。
昨今、広告よりもネットやブログなどのバイラル(クチコミ)が人気があり、
さらに広告よりもバイラルの方が消費者の信頼性が高かったりするそうです。
じゃあ、これからコピーライターはどうなるんだろう。
どこかで見たことのあるキャッチコピーをささっと書いておしまいという人は、
絶滅職種指定を受けているかもしれません。
どうすれば売れる、ウケるなか。媒体は、マス広告なのか、ネット広告なのか。
タレントを起用するなら、漫画のキャラを使うなら。
あの映画のワンシーンはビジュアルアイデアにならないか、
そういう考え方をもたれるといいと思います。


あとは、好きなコピーライターの作品の書き写しをおすすめします。
手書きで、写して、それから音読してみる。
名作といわれる文章は、実に平易でなめらかな日本語だけど、心に染み入ります。


ビジュアルというかデザインは、ユニバーサル、見ただけで瞬間にわかります。
これは強いです。コピーライターが書いた文章よりも、
クライアント(スポンサー)の担当者が書いたものの方が、伝わることもあります。
じゃあ、これからコピーライターはどうなるんだろう。わかりません。
ぼくは、コピーライターは翻訳家のようなものだと考えています。
トランスレーターであり、コミュニケーター。
ますます分化、多様化、その都度、メタモルフォーゼして
生存していくのではないでしょうか。
なんだかエラそうに、ついまとまりを欠いた長文になりました。
わかるところ、賛同できるところだけ、参考にしてください。
就職活動、がんばってください。


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