- 作者: ヨシップノヴァコヴィッチ,Josip Novakovich,岩本正恵
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 単行本
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昨日・今日と仕事に励む。
久しぶりのカテゴリーの仕事なもんではじめは時間がかかった。
昔の参考書やネット検索でネタを拾い、まとめにかかる。
『四月馬鹿』ヨシップ・ノヴァコヴィッチ著は、
終盤になってよくなってきた。
作者はクロアチア出身でアメリカへ移住。
非―英語圏ではないのに英語で小説を書く。
その原文はどのようなものなのだろう。
ウラジーミル・ナボコフあたりと比較したらどうなのだろう。
この小説は、ユーゴで4月1日に生れた男イヴァンが主人公。
本人はろくでもないのに、天下国家を論じたり、嘆いたりするのが
三度のメシより好きという困ったちゃんタイプ。
ユーゴ紛争と男の成長が、全編ほろ苦く描かれている。
いかんせん洋の東西を問わず、おのこは生きにくい世なのかも。
読みながら映画『アンダーグラウンド』をイメージした。
好きなフレーズ、長めに引用。
「「水はオーストリアから来るだろう?」イヴァンは言った。
「で、セルビアに向って流れて、そこでボスニアからの水と合流する」
「だから?」
「どうしようもない国だけど、みんな水でつながっているんだ。血で分断してはいけない」」