メランコリー

昨日は、打ち合わせというのか話を聞きに乃木坂まで。
乃木坂というと梓みちよの『メランコリー』の
「それでも 乃木坂あたりでは 私は いい女なんだってね」の一節が口をつく。
乃木大将じゃないよ。
整形美容でもしたような見知らぬ新しい街ができていた。
やや早めに着いたので防衛庁の跡地を道端からうかがう。
ぼくの記憶には、薄暗い塀の中に潜む防衛庁やラーメン店、
高級焼鳥屋、ソウルバーなど以前の夜の光景が浮かび上がった。
そうだ、マダムのコピーライターのオフィスがあった。
大きなプレゼンテーションのとき、丁稚で通ったな。
そこから直帰しては、アパートで兄の影響でバンドを
はじめた女の子の小説をしこしこと書いていた。
ティーン向けの小説の賞だった。無論、かすりもしなかった。


知り合いの編集者に会うのは、どれぐらいぶりだろう。
忘れた頃に、こちらの近況や最起の仕事歴をメールしていた。
まずは、企画が決まってから。
通すための説得材料となるネタさがし。タイトルと大まかな章立て考案。
日銭仕事と並行してやらなきゃ。


図書館から貸し出し延長した『野溝七生子作品集』をようやく読み終える。
長篇小説『山梔』『女獣心理』は、面白くないことはなかった。
ガーリッシュ文学や少女漫画の源流であることは、十分に感じられた。
『山梔』を高野文子が漫画化しないだろうか。上田トシ子を模したキャラクターで。
ただ短篇小説の方に、ぼくは魅力を覚えた。


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