アンファン・テリブル

戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪

午前中に追加分をまとめる。
連休中に自分のWebサイトをいろいろいじってみる。
中でも参考書に出ているカラーチャートのイメージと
指定してみて実際の色が違うのには閉口する。
ま、改訂はしこしこと続けよう。


『戦前の少年犯罪』管賀江留郎著を、読む。
戦前はやれ修身教育だの軍国主義だのが徹底していて、青少年は現在と違って品行方正と
思われがちだが、そんなことはないと、作者は「国立国会図書館にこもって」
新聞記事などから集めた未成年者の「凶悪事件」の数々で反証している。
アンファン・テリブル、怖るべき子どもたち。
実は少年の凶悪事件は件数でみれば、減少傾向にある。
それを知ったのは長谷川寿一・眞理子夫妻のどちらかの文章だったが、
この本は、なんか釣りのように、戦前はひどい時代で、戦前の青少年はひどかったのオンパレード。
ページをめくる手が鈍いのも、取り上げられる事件が酷いから。
あるいは作者の記す言葉の毒が、予想外に利いているからか。
大昔読んだ牧逸馬長谷川海太郎の筆名)の『浴槽の花嫁』を思い出した。
世界の怪奇事件を取りまとめた実話物だが、こちらは日本なんで生々しい。
江戸川乱歩の猟奇的なテイストも、どうやら、時代が書かせたものらしい。
蛮カラなんて年配者は郷愁を感じる言葉かもしれないが、
蛮は野蛮の蛮で、カラはハイカラのカラだそうだが、昔は若気の至りで済んだ悪業非業は、
いまならお縄頂戴。二十歳過ぎてたなら氏名・写真も公表され、社会から抹殺されてしまうだろう。
たとえば、大学サークルスーパー○リー事件などのように。
ネットなんかなくても見ず知らずの他人と心中したり、
SNSなんかなくても出会い系で不純異性交遊に走ったり。そりゃそうだよな。
ふだんより毒がきつかったら感化されてるあかし。
読む人で評価が分かれる本。
少年犯罪の記事は、ミステリーやホラーを書く人にはネタとしていいガイドブックになるかも。


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