にせ涙

槿 (講談社文芸文庫)

槿 (講談社文芸文庫)

昨日は、子どもの誕生日。
大きくなってしまって、もはや他人のごとき。
かわいい盛りの写真を眺めては、こっそり落涙(冗句)。


図書館で借りた『槿』古井由吉著を読み出す。
ものごとを辿るのには、昇順と降順があるが、
昇順のほうが、ぼくの思考経路には合うようだ。
「むくげ」かと思ったら「あさがお」と呼ぶ。
で、本文中には一般的な「朝顔」表記も。
何か作者が意図した違いがあるのだろうか。
単行本には、付録の書評が巻頭に貼付されており、
篠田一士が作者の文体を、かように言いえている。
「古井氏の文章には、一種の懐古主義、つまり、アルカイスムが
あって、これが、ある読者を魅了もし、また、別の読者を遠ざける」
馴れるとおいしい。くさやの干物といっしょにしては、失礼か。


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