再読

また前途を悲観した父親が家族を巻き添えにした無理心中(殺人だよな)が、
起きた。負の連鎖ってやつか。痛ましい。
子どもを養う、老親を世話する義務はあっても、命を奪う権利はない。
大概、自営業者で商売が左前になって。というパターンらしいが、
他人事とは思えないのだが、
死ぬなら、自分だけで死ねばいい。と、自戒の念を込めて。
木の芽時は、寒暖の差が激しかったり、進学・就職など環境の変化に伴い、
心身のバランスに変調を来たしやすいそうだが。


渋谷に出てビックカメラでいっちゃん安いエアコンを買う。
ついでにUSBハブ、インクカートリッジ、ヘッドホン、CD-Rなども。
書店で『日経PC21』も。これは本業関連。
付録を読んで、記録メディアを復習するため。


合間に、『櫛の火』古井由吉著を昨日、今日と再読。
久しぶりに読み直すと、若者より中年男性の方にシンパシーを感じている。
初読のときは、当然、若者の方。自然と対極的な読み方をしており、驚いた。
心身二元論的に、肉体と精神を分離させて考えたくはないが、
若い頃の自分と現在の自分とでは、
精神、気持ちは一向に変わっていないが(そのつもり)、いかんせん肉体が…。
なんだか、新橋のオヤジの呑み会の会話だけど、
それがなんらかの外因で肉体同様精神も減退期に向いつつある自分と
対峙させられ、耐えられるか、そうでないか。
鏡に映った白髪まじり、深く刻まれたシワ。
直視していまの自分を受容できるか、否かだ。と、自戒の念を込めて。


映画『櫛の火』では、ジャネット八田が演じた
物憂げかつエキセントリックなヒロインは、依然として魅力的だった。
どろどろ、もやもや。松浦寿輝の書くのに似ていると思ったけど、そりゃ、あべこべ。
真昼間、蕎麦屋で冷やをひっかけるようなどこか後ろめたい気分で読む。
小説を読むなんて、それくらいの恥ずかしい趣味でいい。


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