塀の内外

黒山もこもこ、抜けたら荒野  デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)

黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)

今しがた、最後の原稿のOKが出た。たて続けにこなした。
行った気になり、世界各国の留学先の学校や都市の魅力などを紹介。
質はともかく量は書いた
「お勤めごくろうさんでした」ふう、シャバの空気はうめえや状態。


合間に録画しておいた『それでもぼくはやってない』を見る。
映画というよりもいまの痴漢冤罪や裁判審議など法制度のドキュメンタリー風。
マニュアルビデオのような感じ。ともかく事前調査に手間ひまかけたそうで、
なるほど、こうやって、状況証拠などのパッチワークで
有罪なり、無罪なりが仕立てられていくんだなとよくわかる。


ぼくの父親は、裁判所づとめをしていたので、
時折、新任の裁判官の評判などの話を聴いたことがある。
つーか、母親としゃべっているのが、耳に入ってきた。
中学になって裁判所裏手の官舎(やたら評判の悪い)に入れることになった。
裏口には拘置所の高い塀が迫り、
朝になると、「起きろー」だったか「起床〜」だったか、
そんな声が聴こえてきた。
入口の通りを隔てた向かい側にそば屋があって、たまにカツ丼や親子丼を食べに行った。
味は、ごく普通だった。
芝居やコントの取調べネタの定番アイテム、カツ丼は、こういう店の普通の味でなきゃ。


『黒山もこもこ、抜けたら荒野』水無田気流を読んでいる。
サブタイトルが「デフレ世代の憂鬱と希望」。
団塊ジュニア世代の生きてきた歩みと意見が書かれており、ひじょうに面白い。
シビアかつ硬い内容をソフトランディングさせる修辞を持っている。で、できる。
惜しむらくは、タイトル。
もう少し気の利いたタイトルにしたら、売行きも違うはず。
おまえならどうすんだよって?『団塊ジュニア世代の品格』とか。
それってパクリじゃん。


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