沈む浮く

ナラタージュ (角川文庫)

ナラタージュ (角川文庫)

深く沈み、時折、浮上しては、息を吸い込む。
奮発した花粉症用目薬を何度もさして。
もう頭が回らないと見切りをつけちゃ、アルコールを補給する。


妻宛に出版社から書籍が資料用に送られてくる。
その山の中から、適当に小説を読んでいる。
週末に、その山から、柄にもなく『ナラタージュ』島本理生著を読む。
うわっ!古くせえ。なんとなんと恋愛小説のメインストリームではあーりませんか。
年上の妻子ある男性(先生)と同世代の男性の間に揺れる乙女心。
これで学生運動セクト抗争や宗教を利かせたら、
タイムスリップしたような。
いちばんらしいのが性描写で、観念的、じゃないな、いかにも「文学」的。
チャーリー・パーカーを聴いてサックスを始めた矢野沙織のような。
若者はコンサバ、保守的って図式を当てはめていいものやら。
二度と流行らないだろうと思ったベルボトムがリバイバルしたし。
単なる回帰趣味ではなくて真摯な愛。
オヤジがこっそり食べるプリン。
気恥ずかしいほど、ブンガク。


図書館に調べものついでに、なんだか話題になっている
「文学界」2008年4月号【十一人大座談会】ニッポンの小説はどこへ行くのかを座り読み。
高橋源一郎でなきゃ仕切れないよなと思う。
東映オールスター時代劇映画か、はたまた『オーシャンズ11』のような豪華顔ぶれ。
楽屋落ち的というのか、その手が好きな人にはいいかも。
PODCASTで聴けりゃいいのになあ。
著者校とかどうしたんだろう。
自分の発言を著者校で全面、書き言葉にして戻される先生もおるからのお。
素朴な疑問。


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