ふらっとフラット

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)


午前中、冷たい小雨の中、カッパを着こんで自転車を走らせ、
図書館へ本の返却と貸出。
先週の取材原稿と他のページの構成を考える。
どーもノリがよくない。
と、思ったら、先日のプレゼンが負けたというTELあり。
ふらっとする。つーか、がくっとする。
カンプや企画案は評価されたそうだが…
(大抵、そんな慰めの言葉を頂戴する)。
冒険せず、安全策でいくといったところなのか。
ディフェンディングチャンピオンは強いもんだ。


『フラット化する世界』トーマス・フリードマン著の読書メモ。
上下2巻の部厚いステーキのような本。内容もたっぷり。


「仕事の世界では、人あしらいが上手なのは大事な資質だが、フラットな世界では
なおさらそれが重要になる」

「パーソナライズされた他人との交流は、ぜったいにアウトソーシングや
オートメーション化ができない。そして、バリューチェーンのどこかで、
ぜったいに必要になる」

「人とうまくやる」。これは生まれつきのものなのか、教育なのか。
結局は、「人間の技量」と作者は述べている。
ソフト化社会を成すものは、ITや英語スキルじゃなくて「人間の技量」。
MBA資格取得とか、口のうまさじゃなくてもっとファンダメンタルなもの。
あなたじゃないとできないこと。それを早く見つけて、向上させることなのだろう。
ディレクション能力、編集能力ともいえる。


なるほどそうだと思ったのは、アウトソーシングは、経費削減のためではない。
より優秀なアライアンス先(設計などのソフト部門からサプライヤーなどのハード部門まで)と
組んで、より質の高い製品をつくるためにあると。
いいもの(人)ほど、高いのは経済原則だもの。


それと「ローカルのグローバル化」。
欧米、特にアメリカメインのグーバリゼーションならぬ「逆グローバリゼーション」。

「グローバルなメディアがアジアを押し包むのではなく、
その地球のローカルなメディアがグローバルに広がる」

ということ。
世界各地にあるチャイナタウンに続いてリトルインド、コリアンタウンなどが
勃興し、音楽、映像、フード、言語など新たな伝播、交流が生まれる。
これは光の部分。影の部分では、偏狭な民族主義、愛国心が諍いの火種となる。
「フラット化する世界」ではインターネットにより、瞬く間に大きな炎になる。


もし時間がない人でビジネス書として読むなら、
第11章「企業はどう対処しているか」をおすすめ。
フラット化する世界でのルールがまとめられていて、ここだけでも参考になるはず。


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