- 作者: 岡田利規
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/02/24
- メディア: 単行本
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午後から高輪方面で打ち合わせ。
企画書の修正を何箇所か指摘される。納得。
ラフデザインを見たけれど、デザインに力が、センスがある。
これをクライアントが理解できるか、理解できないか、そこが問題。
行き帰りの地下鉄で
『わたしたちに許された特別な時間の終わり』岡田利規著を読む。
昨今流行の劇作家、演劇から小説への進出もしくは侵出ってやつ。
2編が収録されている。はじめは、とっつきにくいかなと思ったが、
じき、なれてきて読むスピードがあがってきた。
会話の妙というよりも、地の文、語りが映像的。
退屈じゃないヌーヴォーロマン。ってわかりにくい比喩。
『三月の5日間』
これは、ボーイ・ミーツ・ガール。知り合った若い男女が、
渋谷のラブホテルで5日間闇雲にエッチをするという話。
まるで盗撮ビデオでも見るよう。でも、全然ヤらしくない。
交合というが、交わっていない。
ふと『ラスト・タンゴ・イン・パリ』を思い出したが、
淡々と記される言葉はやけに低体温。
んんと、女性の漫画家や作家のフィールドなんだけど。
『わたしの場所の複数』
これは、真逆の冷えきった夫婦の話。
諍いやケンカなども起こらないほど、離れてしまっている。
しかし、夫のブログをこっそり読んだり、気になることは気になる。
んで怒りや不満が飽和状態になると、いきなり、夜中にワインボトルで
頭蓋骨が陥没するほど強打するのか。その薄皮の描写がうまいと思う。
戯曲を小説にしたものだそうだが、日常生活のささやかなディテールを
ミルフィーユ化したような、そんな作品。