はかる、はかどる

“はかる”科学―計・測・量・謀…はかるをめぐる12話 (中公新書)

“はかる”科学―計・測・量・謀…はかるをめぐる12話 (中公新書)

朝も早よから、宿題を片づける。終わらない。はかどらない。
長距離走者の孤独さ。
子どもがインフルエンザの予防接種に行ったら、
風邪の患者で賑わっていたらしい。
このところの気温の低下と乾燥のせいか。
マスクをしている人って、風邪引いている人よりも、
予防でしている人の方が多いのでは。
インフルエンザは、確か、市販の風邪薬は、効かないとか。


『<はかる>科学』阪上孝・後藤武編著の読書メモ。

「私たちは数量で把握し、表現するよりもはるかに
多くのものをはかっている。たとえば私たちは人と向かい合うとき、
親しさに応じて適切な距離を取る。優れた職人のわざやカン、
伝統芸における間の取り方などは、数量で表現できないほど精妙な
ものであるだろう。このように考えると、「はかる」ことは、
(1)暗黙知にあたる層、いわば身体に書き込まれた<はかる技法>の層、
(2)比較級や最上級などの言葉で表現される層、
(3)数量で表現される層、の3つの層からなっていると考えることが
できる。数量化された知識は、「はかる」という氷山の一部、
海面上の部分にすぎない。数値化された知識だけを重視し、
頼ることは大きな間違いを引き起こすだろう」

どことなく、フロイトの意識-無意識の構造を思わせる。
「優れた職人のわざやカン、伝統芸における間の取り方などは、
数量で表現できないほど精妙なものであるだろう。」
と述べているが、職人芸をコンピュータが解析して、機械に組み込めるはず。
職人芸というナレッジ、暗黙知形式知にするというのか。
でも、原型となるモノがなければ、はかれない。
この本は、「はかる」をテーマに12の話がおさめられている。
話のバラけ具合と各文章がちょうど良い長さ。
気になったテーマがあったら、さらに詳細な本へと進めばいい。


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