肌寒い

現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)

現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)

肌寒い日。資料の仕込みとスペックの整理をする。
昨日は、西新宿まで打ち合わせに行く。
その前に、昨年の暮れに引き受けた仕事の打診があったが、
今年は、ムリっぽいので、知り合いにメールを出しといたら、
電話がかかってきた。金融方面の仕事が多いとか。
かつてお世話になったので、少しでもお返しできれば。


『現代の貧困』岩田正美著を読む。
最近になって貧困層が急に増えてきたかのように思われるが、
実は「バブル時代」にも「貧困問題」はあった。
そりゃ、あるだろ、どの時代にも。
たぶん「中流幻想」が幻想に過ぎなかったことの表れなんだけど。
なんだかビンボー、病気、低学歴の悪循環、
それが親から子の世代にまで継承される。負の連鎖と言うのか。
ヤンキーでも可愛かったり、イケメンだったら、
芸能界入りしてエクソダスできるのだが。

作者は言う。

「日本の社会保障制度は、基本的に終身雇用の正規雇用者家族が共通に抱える
一定のリスクに応えるべく設計されたものである」

「日本では、あまりにも保険主義が徹底しているので、これに代わる所得保障が
きわめて手薄である。とくに働ける年齢層で保険料を支払えなかった人々や、
支給条件を満たさなかった人々への別の手段が講じられていない」

「日本では雇用保険が切れた時、これと連動する「失業扶助」の仕組みがない。
しかも、たいていの先進諸国にはある住宅手当(家賃補助)制度がない。
家族なし・資産なしの単身者やシングルマザーの貧困、あるいは労働宿舎型の
ホームレスにもっとも効果的なのは、おそらく住宅手当であろう」

保険好き国民の体質改善は容易なこっちゃない。

この本に出てきたが、
生活保護受給者が毎月これだけの金額をもらっていたりすると、
「なんだよ、オレの時(月)給よりいいじゃん。そんなのカットだよ」とか
単純に思いがちだが、そうではなくて、自分たちの時(月)給をアップするには
どうすればいいのか。そっちを考えるべきだろう。


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