表面と表現

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

朝イチで原稿を送る。あとはどの程度の修正が来るかだ。
週末に読んでいた『デザインの生態学』後藤武・佐々木正人深澤直人著を読了。
副題が「新しいデザインの教科書」とあるように、高邁で奥深い。
教科書なので丁寧に脚注がついている。
いいんだけど、それが、時折、読む行為のジャマをしている。
レイアウトの問題かもしれないが。

引用2カ所。

「表面を修正して「囲い」を作る仕事を「建築」と言う。地面を修正してより平坦にしたり、
固くしたりして、その上を大量の人やものが移動できるようにすることを「土木」と言う。
食物の表面お修正して、口に入りやすい大きさや固さにしたり、熱を加えて表面の化学的性質
(味)を修正することを「料理」と言う。頭髪や顔面や身体部分の表面を修正して、そこにもと
あった性質を際立たせたり、目立たなくすることを「美容」と言う。土からできる表面を修正
してできた容器は「陶器」とよばれ、ケイ酸塩を溶解させて急速に冷やして新しくできた表面
をガラスとよぶ。私たちが「職業」とよぶことの多くは、長い時間をかけて表面の修正に習熟
することをもとにしている」

「誕生した時から、私たちはここにあげた三種の表面に囲まれている。周囲には未加工の表面、
修正された表面、表現された表面がある。私たちは三種の表面についての経験をつづけながら
成長する。やがて誰もが、表面そのものの性質と、表面を修正することと、表面に他の表面の
性質を刻み付けることに熟知する」(佐々木正人)

テクスチュアってことかな。違うか。
素材のまま、素材を生かす、素材と異なる素材を組み合わせる。
藝術の「藝」の意味である植えるってこともそうだし。


そう考えると、ものの見方が違ってみえてくる。


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