喋るユダヤ人

さよなら、さよならハリウッド [DVD]

さよなら、さよならハリウッド [DVD]

さよなら、さよならハリウッド』主演、監督、ウディ・アレンを見る。
相変わらず私小説風自虐ギャグとナイアガラの滝のように言葉があふれ出る神経症ぽい会話。
グルーチョ・マルクスを継承するユダヤ的ギャグなのだろう。
ただこのところ彼の作品が丸くなったのか、それともこちらの感覚の変容なのか、
随分と楽しく見られるようになってきた。

ぼくがいちばん好きなのは『ハンナとその姉妹』かなあ。『ギター弾きの恋』もいいけど。
どうもウディ・アレンが主役だと昔はなんかハナにつき、ちょっとヘキエキしていた。
といっても『インテリア』は、映画館で見てカンペキに後半はスリーパーだった。
あ、『カジノ・ロワイヤル』とか監督兼務じゃない作品は別物だが。

今回の映画もストーリーの骨格自体は古典落語かシェークスピアの喜劇のようで、
きわめてクラシックで、そのまま舞台にもかけられそう。

まあ、別れた妻(もしくは恋人)との再会での
女性さばさば、男性グジグジは、洋の東西を問わず。
でも、なんか脂っこくない展開でいい感じ。

意外だったのは、息子キャラクターが出てきたこと。
娘ならわかるけれど、同性の子どもは苦手なはずなのに。
しかも、父親から折れて和解してしまうとは…。

ストーリーは、落ちぶれた名映画監督の再起をめぐるドタバタ劇。
西海岸もハリウッドも好きじゃないのギャグ(マジ?)、健在。
玉川カルテットの小さな人がセミアコをひとくさりしてから
♪金もいらなきゃ、女もいらぬ、あたしゃ、も少し背がほしい〜♪に通じる。

ようやく、『私家版・ユダヤ文化論』内田樹著を読み始める。
内田センセイは講義録をまとめた本がアタリ!のようだ。
んでもって、早速、その感化が標題に表れる。ミーハーめ。