通常営業っすか


今日から通常営業。
電車は混雑で遅れる、いつものやつ。
呑み屋もスーパーマーケットもコンビニも
やがて三が日は休むことになるのだろうか。
人手不足とか、働き方改革とかで。
東京で予備校生していた年は帰省しなかった。
正月。ゴーストタウンのような地元の商店街。
あの光景をもう一度見ることができるのか。
ロンドンで休日営業している店は大抵、移民の店だった。
日本も東京もそうなるのか。
それも悪くない。

銀行で入金チェック。
病院前のセブンイレブンで公共料金などを支払う。

電車本は『夜のリフレーン』皆川博子著 日下三蔵編。
おうち本は『あとがき』片岡義男著。
小説はなんだか久しぶり。
2冊とも、あたりでうれしい。

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マネーの履歴書

ビットコインはチグリス川を漂う――マネーテクノロジーの未来史

ビットコインはチグリス川を漂う――マネーテクノロジーの未来史

 

ビットコインチグリス川を漂う』デヴィッド・バーチ著 松本裕訳を
読む。感想メモを。

中南米のカカオ本位制」が紹介されているが、
カカオ豆通貨、結構おもしろい。

「●質の良いメスの七面鳥1羽=カカオ豆100個
七面鳥も卵1個=カカオ豆3個
●完熟したアボカド1個=カカオ豆1個
●Lサイズのトマト1個=カカオ豆1個」

 


原題は「Before Babylon,Beyond Bitcoin」。
Bの頭韻を踏んでいる。
ラップのライムに使えそう。
上手な邦題。
バビロン以前とビットコイン以降のマネー。
テクノロジーがマネーを変貌させてきた。

日本政府も消費税10%を期にキャッシュレス社会にしたいようだ。
ポスト現金社会。
この本で「マネー」の過去・現在・未来を教えてくれる。

代表的なものがケニアのモバイル送金サービスM-PESA。
ガラケーの頃からケニアでは頻繁に使われていたとか。
本当のおさいふケータイ。
預金、引落、送金や決済までできる。
日本も高齢者がスマートフォンで買い物や預貯金するようになる。
ATMはコンビニからもなくなる。
タンス預金もなくなる。
すると新たなオレオレ詐欺が出現する。


powerpointでまとめた図。

「「ロング・ファイナンス」が探求した2050年の金融サービスの世界だ。
この報告では4つのシナリオが紹介されているが、どれもマネーの未来を
構築する物語の基盤としては十分あり得る」

 

さて、2050年にはどうなっているのだろう。

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ちょっと 少々

カフカの父親 (白水Uブックス)

カフカの父親 (白水Uブックス)


ちょっと朝酒。箱根駅伝を映して音声を聴きつつ
仕事を少々。
図書館ボックスに借りた本を返しに行きたかったが、
三が日はダメらしい。

カフカの父親』トンマーゾ・ランドルフィ
米川良夫 他訳を読む。
何せイタロ・カルヴィーノが選集を出すくらいだもの。
面白くないわけがない。
奇想短篇の名手のコレクション。
SF、ホラー、ゴシック、幻想、いろんな味がする。

ゴーゴリの妻』ではゴム人形の妻が出て来る。
寺山修司の映画『田園に死す』の空気女の絵が浮かぶ。
カフカの父親』では大クモの父親が出て来る。
息子は毒虫で父親がクモかよ。
で、カバー装画がルドンのクモ。
『騒ぎ立てる言葉たち』。
歯磨き中に吐き出す練り歯磨きの残骸。
それが言葉になって話し出す。
好きだなあ。マン・レイの実験映画の映像みたいだ。
『ゴキブリの海』。これもすごい。
スティーブン・キングばりのほら(ホラー)話。
嫌いな人は卒倒しちゃうかも。
『狼男のはなし』
月が駄目な男と狼男。
藤子不二雄Aの『怪物くん』に出て来る狼男は
月見うどんで狼に変身する。

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明けました


 

朝寝、朝酒。朝湯すれば小原庄助さんだ。
あとでYoutubeで民謡クルセイダーズの『会津磐梯山』を聴こう。

正月の新聞広告では西武・そごうが一等賞。
「女の時代、なんていらない」
というキャッチコピーから
ボディコピーでノンセックス、ノンエイジ、ノンボーダーと
オリビエーロ・トスカーニが手がけた一連のベネトンの広告にも通じるものがある。
くわしくはこちらで。


https://www.sogo-seibu.jp/watashiwa-watashi/

モデルは誰だろう。以前はドレスアップした樹木希林だった。
サイトをのぞくと、わかった。安藤桃子だった。

でも、ビジュアルはこれでいいのだろうかと素朴な疑問。
インパクト狙いはわかるが、Me Tooじゃん。
こういう手法はもういいだろと思う。


あと、もう一つ。
企業理念はわかった。
では、具体的にどう展開していくのか、だ。
思いつきだとユニセックスのPBブランドを出す。
女性管理職の比率を50%にする。
障害者雇用を高めるとか。
広告のための広告では
金をドブに捨てるようなものだろう。

新しい年がスタートした。
関係者、友人各位、よろしくどうぞ。

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最終回

 


昨夜、戻ってきたらネットがつながらない。
奥の手のルーターのコンセント抜きをして復旧。
ネットは見れるが、メールは当初不通だったが、
風呂上がりに回復していた。
よーわからん。

あせったのは、『菊池成孔の粋な夜電波』の最終回を
録音していたから。
結局、リアルタイムでほぼほぼ聴く。
遅れてきたリスナー。
著作よりもラジオのしゃべりや内容に魅了された。
終わらない番組はないのだから。
でもなあ、突然の中止はなあ。

珍しくクイーンの『レディオ・ガガ』がかかる。
時代はテクノポップの時代。
この手のサウンドが主流だった。
ニール・ヤングまでテクノに手を染めたはず。
『レディオ・ガガ』のPVは
フリッツ・ラングの『メトロポリス』の映像を使っていた。
見事にマッチングしていた。
メトロポリス』は今見てもカッコいい。
クイーンは、5歳下の従弟が大ファンだった。
ボヘミアン・ ラプソディ』は見ているんだろうな、きっと。

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BLACK MARKET WOMAN

闇市 (新潮文庫)

闇市 (新潮文庫)

 

なんとか原稿の続きが書けるようになる。
試しにBLACKNIKKAを伊賀の天然水強炭酸水で
割ったハイボールを飲む。
うまいと思ったから、結構、恢復したんだろう。
おいおい。
鯨ベーコンは20代に安酒場で一生分食べたし、
鯨の竜田揚げも学校給食で食べた。
鯨はもういいや。

闇市マイク・モラスキー編を読む。
英語でBLACK MARKET。
編者は日本のジャズ喫茶や居酒屋の造詣が深く、
最近では青い目の吉田類と言われているとか、言われていないとか。
本来の専門である日本文学、しかもテーマを闇市にしぼった短編集。
「経済流通システム」「新時代の象徴」「解放区」という
章立てが利いている。
そこに編者の眼に適った作品が選ばれている。

朝の連ドラ『まんぷく』でも大阪の闇市シーンがあった。
非合法なのだが、金さえ出せばほしいものが手に入る。
一種の自由さと解放感があった。
礼賛するわけではないが。
以下短い感想を。

『貨幣』太宰治
100円札が主人公で100円札主観で流通する先での風景を描いている。
昔、お金は誰がさわっているのかわからないんだからと
叱られた人はいま中高年だろう。
100円札のリレーで世相をユーモラスにとらえる。
小説巧者だなあと思わせる。

『浣腸とマリア』野坂昭如
初期の作品だそうで後の町田康の先駆けともいうべき
饒舌関西弁文体はそれほどでもない。
ひょんなことから母親と寝て勤務先の社長とも寝て。
しまいには男娼みたいになってしまった若者。
性への強い衝動は、生への強い衝動。

『訪問客』織田作之助
ヘビースモーカーの作者を訪ねる3人の闇屋の話。
最初の男は作家志望でいきなり原稿を読んでくれとやって来る。
何作か持ってきたが、ダメな原稿だった。
音沙汰がなかったが、来訪。
今度は闇屋になったという。
次は女の闇屋。
煙草の押し売り。煙草以外にも売りつけようとする。
人気作家だから羽振りが良いと思ったのか。
身辺雑記風私小説なんだけど不思議な味わい。

『蝶々』中里恒子
海軍のエライさんだった夫が
戦後、居場所がなくなり生きる意欲を失う。
敗戦までは奥様だった妻は生きるために
夫の部下と屋台の焼き鳥屋を始める。
場違いな妻の上品な雰囲気と
焼き鳥を一心に焼く元夫の部下。
商売はうまくいき店を借りることができる。
はじめて生きがいを得た妻は
やがて美貌を持て余す。
編者曰く「彼女は闇市で蛹から蝶になった」と。
成瀬己喜男の映画みたいな作品。

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悪寒のおとん

 

年末になると調子が悪くなる。
1日寝られれば、そこそこ良くなるはずだが。
新宿の広告プロダクション勤務時代、
発熱すると注射を打ってくれる病院があった。
代謝も良かったのだろう、
注射後、しばらくしてから滝のような汗が出で、すっきり。
熱も下がっていた。
原稿も予定通りにはいかない。

『現代経済学』瀧澤弘和著を読む。
ゲーム理論行動経済学・制度論」など
裾野が広がった感のある経済学のさわりをまとめた本。
ちょっと気になったところを引用する。

「彼ら(人類学者デイヴィド・グレーバー、エコノミストのフェリックス・マーティン)の節に寄れば、貨幣は交換から発生したのではなく、むしろ貸借の記録という会計から
発生した。―一部略―グレーバーによるれば、人類の歴史の中では、市場経済でも物々交換経済でもなく、贈与経済が一般的であった」

 

マルセル・ モースの『贈与論」みたいな話。ポトラッチとか。

 

ぼくが頓挫したトマ・ピケティの『21世紀の資本』の評価。

「これまで経済学者の多くが行ってきた経験的研究では、研究者の間で広く標準的に用いられてきたモデルを前提とし、それに現実のデータを突き合わせて評価する手法が用いられるのが通常である。これに対して、ピケティは―一部略―現実の歴史的データを用いて分析し、結論を出そうとしているのだ」

 

「理論先行の経済学」だと理論を裏付けるためのデータだが、
そうかピケティは逆なんだ。
ま、データサイエンティストも花盛りだし。

「メカニズム」という用語について。

「現在では、科学研究の本質は法則探求にあるのではなく、むしろ
カニズムの解明にあると考える哲学者が登場してきている」

 


誰だろう。

「経済学が扱う経済のシステムが、物理学などが対象とするシステムとは
異なり、その振る舞いが人間の意志決定で決まるという特徴を持っている
ことである。このことは、人間が自分の行動が持つ社会的意味や経済システムの振る舞いを自覚しているという複雑性がシステムの内部に内包されることを意味しており、普遍的法則と呼べるほどの関係の導出は難しいといえる」


「複雑性」って複雑系か。なら、内部観測やオートポイエーシスに話にもつながるような。

引用はすべて「終章 経済学の現在とこれから」。
他章はきっちりとまとめられてある。
「終章」を読ませるためのお膳立てだったのかと気づく。

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