くりそつ

絞首台の黙示録

絞首台の黙示録


スガシカオの『午後のパレード』を
あちこちのラジオ曲で聴く。

『絞首台の黙示録』神林長平著を読む。
ドッペルゲンガー幽体離脱という言葉が出たが、
そこから進まない。
双子、見た目は自分にそっくり。
でも、何か違う。
以下ネタばれかも。
しょっぱな生々しい死刑シーンの前後が続き、
重苦しい。
死刑になった男が甦っている。
 幽体離脱装置というのか研究開発中の幽体離脱法で
肉体は滅びるが魂は死なず。
どうやらその魂は肉体という容器に好き勝手に入り込めるらしい。
そしてコントロールされる。
なりすましは、偽物が本物を騙ることだが、
この場合、偽物とは言えない。でも、何か違う。

SF作家が書いた怪奇幻想文学の秀作。

死刑前に立ち会った牧師(教誨師)に会いに行く二人。
オリジナルとクローン。
クローンゆえ遺伝子まで同じ。
ぼくって何。私って誰。
自問し悩めるレプリカント
産みの親である博士に報復する。
そう、『ブレードランナー』のように。
出てくる人物たちが、
本当に生きているのか、死んでいるのか、
わからなくなる。
罪と罰。神と悪魔。
オカルティック気分、高濃度。

こりゃ黒沢清に映画化、希望だな。
かわいらしいが、アートっぽい表紙。
誰が描いたのだろうと思ったら、
西島大介だった。

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ケージヨロシク

曇ると蒸し暑く、
晴れると暑い。
夜の仕事は休みなので
洗ったばかりの風呂に湯をはって
ひと風呂浴びてから飲んだくれようと思ったら、
インターホンが鳴る。
大荷物が届く。
あちゃー、いま、来るか。
割と重たい段ボールを居間まで運ぶ。
中身は猫用のケージ。
一階が老猫のトイレゾーンとなったための対策。
浴室前とキッチンが危険ゾーン。

工具不要の組み立て式というが、
結構力がいる。
きゃしゃな女性には大変かも。
金属の床面に新聞紙を敷いて
ペットシーツをのせて、
寝床を奥に置く。
新居の住み心地は、まんざらでもなさそう。

『絞首台の黙示録』神林長平著を読む。
日本SF界の山下達郎として
リスペクトしている作家。
すぐさま引き込まれて
頭がクラクラしてくる。
岡村靖幸ではないが、「どぉなっちゃってんだよ」。

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世界の中心で


猫、下血。歌舞音曲、禁止か。
まさか。液状のおやつを2度続けてあげたら、
足りないらしく不満たらたら。
夕方、あげるから、それまでお預け。

世界の中心で愛を叫んだけものハーラン・エリスン著を読む。
新世紀エヴァンゲリオン最終話・第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」の
モト副題ネタで有名になった作品。
題名は知っているが呼んだことはなかった。
そんな本って結構ある。

全篇に流れているのは暴力。
異星人とも第一種接近遭遇とか悠長なことを言っている場合ではなくて
派手にドンパチやっている。
世界の中心で愛を叫んだけもの』は、
時空を超えた「同時性」という、はったり具合が
利いていて壮大なスケールに目を開かされる。
グロい暴力シーンは、
イン・ザ・ミソスープ』あたりの村上龍
平山夢明の一連の作品を思わせる。

『少年と犬』は、一種のディストピアもので
映画『マッドマックス』が好きな人なら、ハマるだろう。
訳が朝倉久志と伊藤典夫というSF翻訳のツープラトン
「ハジキ」とか、どことなく初期劇画かパルプフィクションを思わせる訳文。

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豆大福と珈琲

豆大福と珈琲

豆大福と珈琲

 

『豆大福と珈琲』片岡義男著を読む。
5つの短篇集。
すいすい読める文体。
魅力的な日本語。
どこにでもいる素敵な登場人物たち。
翻訳モノやおカタい人文系の合間に
読むのにはぴったり。

関係なさそうなそれぞれの話が
最後の短編で関係が明らかになる。
落語でいうところの見事な下げ、落ち。


行きつけの喫茶店で原稿を書く。
作者やライターや作家である登場人物は、
そうしている。
ペラに手書きからノートPCという
スタイルは変わったが。
ぼくは喫茶店では原稿は書かないあ。
あ、取材の空き時間とか
急ぎの直しとか、そういうときはしたことがあるが。

『豆大福と珈琲』は、主人公が英文学の翻訳家。
30歳すぎてはじめて食べた豆大福にいたく感激するが、
「豆大福の餡を的確に日本語で表現することはできない」と。
成分などは説明できても、おいしさを完璧に表わすのは
難しいかもね。
岡埜栄泉や群林堂の豆大福が食べたーい。
アイス珈琲で。

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だらだらと


集中力が欠如しているのは、暑さのせいにしよう。
だらだらと流れる汗。
電車読書が続かないのは、電車の温度が生ぬるいからなのか。
radikoのタイムフリーでラジオ番組を聴きつつ、
YouTubeで見逃したお笑い番組をだらだらと見つつ。

ここでPR。まとめた記事が更新されていた。
うまくリンクできないので、こんなスタイルで。

不動産の売却・購入・査定に役立つ情報サイト|フィンスタージャーナル

コンサルタントF山の不動産講座】


〇あなたのマンションは大丈夫?売却を考えているなら修繕積立金にも注目しよう

 

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〇投資初心者は要注意!新築ワンルームマンションの落とし穴

 

〇抵当権の抹消手続き、自分でやるにはどうする?

 

 

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既視感 未視感

このところ聴いている楽曲を
YouTubeから。

愛は光/Negicco(作詞・作曲 堀込高樹、編曲 KIRINJI)

堀米兄とゆーか、KIRINJワールドをNegiccoワールドに
変換して歌いこなしている。


第六感コンピューター/けもの

公式MVではないが、この曲が気になって。
オルタナシティサウンド×現代詩のような文学少女ロックの融合。
どことなく「第七官界彷徨」を思わせる。


futsu no koi /SPANK HAPPY

けもののプロデューサーでもある菊池成孔のかつてのデュオ。
いま聴いてもイケてる。


真夜中のジョーク - 間宮貴子(Takako Mamiya)

この頃のAORというのか、シティサウンドって
単なる懐かしさをこえた何か感じるものがある。

 

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サークル・ゲーム

内面からの報告書

内面からの報告書

 

暑いのはごめんだと思ったら、
降ればゲリラ豪雨
たらふくランチを食べた猫は、
雷の音も気にせず昼寝。

『内面からの報告書』ポール・オースター著を読む。
『冬の日誌』では作者の「身体」面から書いたものだが、
この本は「精神面」について書いたものだ。
著者がいかにして作家になったかを書いたもの。
ポール・オースターを作ったものについて
時系列で書いている。
アイドル、ヒーロー、友だち、異性。
本、テレビ、アニメ映画。
ユダヤ人であること、裕福な家庭ではなかったこと、
公立校出身であることなど。
幼年→少年→青年→壮年。
しかし、微に入り細に入り、
これほどまでに記憶しているものなのか。

「タイムカプセル」という章では、
元妻であるリディア・デイヴィスに送っていた膨大な手紙が
ベースになっているらしい。
手紙が忘れていた時間の封を切る。
なんだかブログを読んでいるような気分。
自分の才能に対する自信と不安が交錯する時代。
パリのアメリカ人時代。

「アルバム」という章に納められた多数の写真や図版を
眺めるだけでも楽しい。

作者が学んだコロンビア大学は、そうか、『いちご白書』の舞台か。
大昔、見たけど、ラストが壮絶、切なかった。
そこに流れる『サークル・ゲーム』。
バフィ・セント・メリーもいいが、
作詞・作曲を手がけたジョニ・ミッチェルのカバーもいい。

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